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「あーあ!
リアが明日から
ボーミグラネトM国に行くから
私は休みもらったんだけど
何しょうかなぁーヒマ」

と呟くと

「ご実家に帰られたら如何でしょう。」
ミシェルが提案してきた。

「そうですね
兄様もリア殿下の護衛らしい
ですから、帰ろうかなぁー」


「うふふ」
と笑いながらもミシェルは心配して
いた。
グレース王女は25歳
頭が良く美人と聞いている

4魔女と相談した決め事は大きく
反対方向に舵を切り動き出して
いるようにさえ感じて来る。


リアに付いて、ボーミグラネト国にフローレンスも行けるかと聞けばハリーが却下!


まだ王家にはフローレンスが
ロータスルートA国オスカーエバンス王の姉スカーレットの義妹の
娘だと言ってなかった。

カールが今期を最後に騎士団長を
下りてウイリアム スミスの養子となり公爵家を継ぐ事も王は知らなかった。


そして次の朝

「行ってらっしゃいませ」
身支度を終えたリアを見送る

リアはフローレンスに軽く手を挙げ
「早めに帰るからな!」


そう言った。
黒ピカの何台も繋がる車の2番目ピカピカピカの高級車に乗り込む
姿を見ていると
家にあるポンコツ車を思い出す。

父が針金で落ちたマフラーを
釣り上げヒバナ散らして走ったり
ドアが落ちそうでヒモでくくり
椅子に穴が空いてスースしたり

( ๑´࿀`๑)=3

「もしかして、リアは雲の上の人?」
とフローレンスは思ってしまう。
先頭を走る白バイに車の列がつづき車が飛行場に行くのを見送ると
フローレンスも自室にもどった。

口うるさいハリーもいないし
自由感半端ない

「あーヤッパ
行儀見習いなんてセカセカした
生活は合わない、後六ヶ月かー
微妙ーー」
そう思うと結い上げた髪のリボンをプルプル
と解き一括りにした

キャップを被りTシャッにジーパン
黒いリュックを背負い宮殿を
使用人通行口から出た!

久しぶりに吸うシャバの空気は
最高‼️

街に出れば信号の音
飲食店の前を通ればハンバーガー
やパンの焼ける匂い
フライドチキンやポテト🍟の
匂い
「あー忘れてた世界」
ゴクッと喉を鳴らした。
今ならハンバーガーを食べれるくらいの金はある。

食うか?

街中にあるハンバーガー
店に入った。
「ダブルバーガーをひとつ
オレンジジュースをLで!」
と頼む、アリサやドロシーモナ
達と喋りまくって3、4時間って日もあった。
家に仕送りしていたから
給料日じゃないと来れなかった
つい半年前くらいなのに懐かしい
気分になる。


「ウファうめえ」
ŧ‹”ŧ‹”


「ええー嘘おぉぉォ」
さっき通りすがり園バスを待つ
ママ達が園児をバスに乗せた帰り
のお茶なのか五人くらい入って来てフローレンスの隣の席に座り込んで
話出した。


「だって朝TVで言ってたわよ
グレース王女にリア殿下が
会いに行くらしいって」


『ふむふむ ちまたの噂は
そうなんだー』

フローレンスはバーガーの残りを
ポイッと口に含んだ。
パンパンと粉をはらうとウエット
ティッシュで手を拭いて


「お見合いも予定されてたのに
それより先に誕生日パーティに
呼ぶんだもん、ぜーったい
あやしいなぁ
もうデキてたりしてぇ」


「そうよねぇ
そんな気する!」

「お見合いは建て前じゃない❓」

「でもサ
グレース王女ならいいんじゃない
綺麗だし、お似合いよ」


「そうねえ」
と呟き、頷き、仲良しそうなママ友

丸い女性と細長い女性
普通に美人なママと小柄なママ
仲良しなんだな
『羨ましい』

王室付きのメイドは
50~から60が普通、厳しい目付きで何も言わないけどコワイ

愚痴を話せる友達がいない
しかもみんな・・・
取り付きにくいし
ミシェルさんがいるだけ
彼女が守ってくれるから嫌味や小言何も言って来ないんだろう
みんなミシェルさんにはいちもく置いてビビってるように見える!

あんなにキャーキャー意見の言える
友達っていいなぁ

早く事務職に戻りたい

そんな事を考えていると
🎶🎵携帯の音楽がなり、ハッと
したフローレンスはテーブルに
置いた携帯の通話のボタンを押した。
「はいフローレンスです。」
電話の主はスカーレットだった。

「大伯母様」

「リア殿下はボーミグラネトM国に
行ったのね、フローレンスは
何をしているの?」


「私ですか?
1週間実家に帰ろうかと
思っています。
丁度、養蜂の蜂蜜を絞る
時期なので手伝おうかなと
思って」


「まあー
養蜂もやっているの?
凄い‼️」

「ぜひいらっしゃいませんか?
祖母も一緒にそれから犬のロイも」


「ああ、あ、そうなのね
ありがとう、でも私達も
グレース王女のね
誕生日パーティにお呼ばれ
してて、よかったらフローレンス
も連れて行こうと思って
許可も頂いているのよ
どう❓御一緒しない?」


「え」

「ザブラルブルグ国の美桜王妃が
フローレンスに会いたいと
言われてね帰りにザブラルブルグ
国に寄ろうと思うのよ」


「え?
本当ですか❓
一度美桜王妃のご実家で・・ん?
何時だっけ⁉️
アレなんでお会いしたっけ?」

中途半端に記憶を消されたフローレンスは、記憶が繋がらない所が
ある。

「どうしたの
フローレンス?」


「あ、いえ分かりました
暇ですし
お供致します。
じゃあ家には帰らず
大伯母様の所へ
先におじゃまします。」

そういうとバスに乗り大伯母様の
住む豪邸へと向かった。

もう何回も行来して道も分かった
ヒッチハイクしていた頃とは
違う。
家には帰ることも言ってないし
気ままだった。


スミス邸に付くとロイが先頭に
待ち構えていた。
フローレンスの姿を見つけると
ロイが一目散に走りより
ドーベルマン一行
が歓迎してくれた
フローレンスが歩けないくらい
犬達はおぶさってくる!
よいしょっコラショッ、ドッコイショ歩けない、前に後ろにドーベルマンワンワンキャンキャン


やっとの事で豪邸の入口迄たどり着く

「待っていたのよ。」
祖母と大伯母が出迎える。

フローレンスも2人に飛びつき
ハグしまくり。

嬉しそうに祖母ケニーと
スカーレットの案内で中へと進む!

一泊の予定なのにフローレンスに
立派な部屋が用意されていた。
リビングでいいのにと思ってしまう。


TVではリア殿下とグレース王女の
特集を組んでゴールデンタイムと
呼ばれるPM20:00には大盛り上がり

グレース王女の生誕からリア殿下
の生誕学生時代の様子や
友人達と仲睦ましい様子が
リア殿下とグレース王女交代交代
に放送されていた。

「プチッ」
スカーレットがリモコンを
押す!


「気を悪くしないでね
貴方をリア殿下は、お后と決めて
いらっしゃるから
花嫁修行をさせていらっしゃるの
皆さんの誤解はリア殿下が
解いてくれるはずよ!
気にしちゃダメよ!」



「そうよフローレンス」

祖母ケニーも複雑な顔をしている


「へ?
だ、大丈夫ですよぉー
ってか、このまま上手く行って
くれたら堅苦しい生活も
終わるのに」
とフローレンスは呟いた。


「ま、まあ」

スカーレットもケニーも予想して
いないフローレンスの一言に
ビックリ‼️

2人は顔を見合わせた、

フローレンスは気にする事なく
クッキーをパクつきながら
ホットミルクをゴクッと口に含むと

「ヤッパ、クッキーには
ミルク、ミルク」


クッキーを頬張りながらあの
親方が作ったのかと微妙な気持ち
になる。

.。o〇顔は厳ついけど
小僧小僧とこき使われながらも
料理の腕は確かに抜群だったな。

そんな事を考えながらポリポリ
山盛りあったクッキーも平になった

その夜
フローレンスは深い眠りに落ちて
いた。

「何処に行ったんだ!」
慌ててフローレンスの行き先を
探していたのはリア

ミシェルに聞いたら実家だと言うし
実家に電話したら年寄りが出て

「は?どなたであられますか?」

「リアだ!」

「は?」

「だからリア!」

「ああ、どなた?」
訳分からんジジイが出て話にならん
携帯に電話するも出ない!


「殿下ここにいらっしゃいましたか?」
ボーミグラネトM国が用意したホテルのバルコニーで連打で電話するが
でない!
ハリーは呆れた顔で

「情けない、一国の王となられる
リア様とあろうお方がガックリ」

項垂れたハリーを見て

「明日の夜までは帰るから
皆に忘れ者を取りに帰ったと
伝えてくれ」


「忘れ物ですか?」


「違う忘れ者だ!」

「エッ」

固まるハリーを押しのけ
リアはバタバタと上着を掴み部屋を
出て行こうとした、

「ま、待って下さい
お待ち下さい!」


ハリーはぶら下がるようにして
リアを止める!


「心配するな、明日の夜までには
帰るし、ハリーに迷惑はかけない」

「しかしグレース王女との
婚約がまことしやかに騒がれ
始めております。
ここで彼女を連れて来るのは
まずいと思われませんか?」



「ハリー!
よく考えよ
俺は誕生日パーティに来た
レイモンド王の皇妃美桜様の
誕生日パーティにも先月
出向いた!
美桜皇妃の誕生日パーティ
と何が違う?
呼ばれたから来たのだ!
それ以上の意味も無い‼️」


「しかし美桜様は既婚
グレース王女は見合い間近の
お相手、兎に角、今日は専用機も
飛べませんし護衛も疲れております、車で帰られたら多分
明日の夜までにここに着くのは
無理です。
どうか、どうか穏便に!」
何とかハリーはリアの気持ちが
収まるように努力した。


その時
リアの携帯がなった。
いかつい顔をしてハリーを睨み
ながら電話を取った。

「あ、スミス夫人どうか
されましたか?」


「あーこんな遅くごめんなさい
貴方に言っておこうと思って
今フローレンスが家にいるのよ」

「え、ほ、本当ですか❓」
食いつくように叫ぶリアに
スカーレットはドン引きした。

「え、えぇずっと眠っているのよ」