🐞26


「ところで猿君相談しても
いい。」

すると猿はププーッと膨れて
「猿はやめて私はミャン、それに男じゃ無いし君付けは無し‼️

私れっきとした女の子!」

と胸を張って言った。

「ナ、ナンダッテェ
女の子?」
うわ〜
ミシェルはビックラ驚いた

「ご、ごめんねずっと男猿
あ、ごめんミャン猿じゃ無かったね、でも妖怪には見えない程
可愛いし」

するとミャンは
「ま、まあ男、女言われた事
無かったシ・・・可愛いなら
アリガト」

「歳は?」

ミシェルは興味津々に聞いてみる
ミャンは不思議そうに答える。

「歳は取らない。
これで生まれてこのまんま」


「じゃあ・・・何年生きて
いるの?」

「マダ73ね」

「それってすくないってか
わかい方?」

ミシェルは自分と変わらない年齢ビックリする。

「ま、まあね
アケビの実の種の中から始まって
落ちて何年か土の中で過ごして
まあセミの幼虫みたいな生活を
して・・ってかこんな話必要?」


「あ、73って聞いて私と
同じ年齢だから気になっただけよ」


「ヤッパ人間って寿命短いね」
ミャンはミシェルを下から上まで
眺めつつ呟いた。

「たった73なのに随分生きてるように見えるね!」

「・・・ま、まあね」


「・・・でも、ココアご馳走して
くれたのはミシェルだけよ
おぃしかった。」


「何時でもごちそうするわ
ん?
なんで私の名前が分かるの?」
ミシェルは不思議だった。

そんなミシェルを見てミャンは

「心の中が透けて見えるから
あなたの過ごした人生も
今の悩みも・・・見える」
と答える。



「・・・そう・・じゃあ
お見通しね、教えてちょうだい
今フローレンスは何処にいるの?」

ミャンは黒い瞳を丸く丸くして
目玉をグルグル回した

𖦹 ̫ 𖦹

5分くらいその状態が続きピタリ
と回っていた目玉がビョョヨヨーン
と飛び出した。

「ウワッ」
思わず怯んだミシェルをものとも
せずに、飛び出した目玉を両手で
元に戻すと


「心配は無い
ミガンダ邸で今はグーグー寝てる。
明日さっき言ったトラックターミナルに現れるよ
今は寝かせてあげないと彼女は
グッタリ疲れている。
心配は無いククク」

とミャンは笑った、ミャンには
ぎっくり腰になるミガンダの姿も
全部通しできたのだ!


「では、お妃問題は?
こちらも一大事!」
ミシェルはもう一つと思い聞いて見る。


「分かった❗
クジを引かせたらいい」
ミャンは背中の毛を2本引けと
言い出した。

「これもクジと一緒
あなたが選んだ毛がどちらかを
決める、慎重にひ、ひ、引けよ

リアとロレンツオに、クジを引かせ
その一方のクジが未来を決め
一方のクジは未来を消し、過去を
消す。」

猿ミャンはシッカリと目を瞑る
「痛いから早くシテ」

ミシェルはミャンの毛を触り
また触り選び出した。
ミャンは背中を差し出したのはいいがモシャモシャする。

「は、は早くして、楽しんでない?」

急かされたミシェルの手が止まる。


「よし‼️」
ミシェルは毛を引いた

「うぎゃゃゃゃあああ」
と1回目

「ウギャァァァアアアア」
と2回目

猿の、嫌、ミャンの甲高い叫び声が
二回響いた。

その声でミシェルは目が覚めた!

「あ、あれ?れ?寝てたっけ?
寝てた?」

不思議に思っていたが
テーブルの上には赤いリボンと
青いリボンが15センチの長さで
2本乗っていた。


ミシェルが出したはずのココア
もテイセットもキチンと棚にしまわれ使った形跡が無い!

「夢」
いやいやこの2本のリボンは・・
何を意味する?

「なんなのーぉ分け分からない!」

ミシェルはベットの中でテンパの
緩いカールのかかった短い髪を
ワシャワシャと両手でかいた。

そして身支度をしていた。

「ミシェル様
朝食のご用意が出来ました。
皆様お揃いになられます
どうぞご案内致します。」

メイド長のナルシアは愛想もなく
硬い表情は崩さずに礼儀正しく
物を言う。

「はい、」
とミシェルはナルシアをじーっと見て、
「ナルシアさんはミャンをご存知?」
と聞いてみた。

「お嬢様のお手伝いを致しましたが、会ったことはありません。」

「もしかしてクマに引き裂かれた
ルーシ様の服の事を証言したメイドって」


ナルシアはニッコリ微笑んだ。
ミシェルはそれ以上何も聞かなかった。
食堂に着くと一枚ガラスで庭が良く見える席で、カール、ケニー
スカーレット、ウィリアムが
それぞれ席につこうとしていた。

「お待たせしました。」


「ああ、ミシェル、私は夢を
みなかったわ」
とスカーレットが言うと

「私も睡眠薬を飲んでいて
気が着いたら朝だったのよ。」
とケニー


「ご安心下さい」
ミシェルが言うと4人はガタガタガタと椅子を引きたちあがった。

「フローレンス様はミガンダ邸の
隣のトラックターミナルに
現れると猿、嫌、一大事のラクサの妖精が言いました。
ご無事だそうです。」

「ミ、ミガンダだと❗💢」

ウィリアムは怒りの声をあげる。

「なんて男なの!」

スカーレットもブルブル怒りを
抑えきれない様子!

「はい、夢の話ですから
まだ、動く事は無理でしょう。」
ミシェルは怒りを露わにしたウィリアムに言った。

ミガンダが関わって居たのかと
ウィリアムもそこに居た全員が
納得した。

「きっとルーシへの仕返しに
フローレンスを狙ったのでしょう」

カールも怒りを震わせながら
バン❗💢とテーブルを叩いた。


「あとはひとまず
私にお任せ下さい
皆様は此処で待機していて
下さい、私は今から行って来ます。」


「待ちなさいミシェル
ミルクと軽い食事をして行きなさい!」

ミシェルはミルクをゴクゴクゴク
と飲み干し、
「帰ってから、フローレンス様といただきます。フローレンス様は
かなりの大食いのようですので
準備、お願いします。」


「あ、ああ、確かに‼️」
カールは頷いた。
「ミシェル、私も行く」
カールがミシェルに言うとミシェルは
「いえ、カール様
1人の方が動きやすうございます
ご心配なさらず、必ず
お連れ致します。」
そういうとミシェルはサッと
居なくなった。

春爛漫、庭のラクサも陽の温もりを楽しんでいるように優しく
ゆれていた。





と言った分けでミシェルはココに
いる。


「フローレンス様
大丈夫ですか?」

「・・・様?」

「行きましょう、皆様お待ちですから・・・はしれますか?」

「LadyGOーー」
トラックターミナルを抜けると
ミシェルとフローレンスは一気に
走り出した

フローレンスはスカートの端を
木に登ったせいで破れて
走り安かった。
靴はミガンダ邸の裏口に干してあった安全靴を履いていて少し重かったが安全靴だから安全なのだ。

少しトラックターミナルが遠ざかった所でブッブッブーとクラクション

「クッソー見つかったか!!」
咄嗟にミシェルが盾になる。
すると
ミシェルの背中越しに見えた人物は





「お、お父様ー!」
フローレンスは叫ぶとミシェルは

「え?お父様なのですか?」
とミシェルは咄嗟に構えたナイフから力をぬいてキョトンとしていた。


「早く乗って!フローレンス
何があつたのだ?
こんなところに朝早く!
それにその格好はなんだ
いくら貧乏だからってボロボロ
じゃなイカ!」

何年乗り回した車か分からない
ボロッボロボロの地金と変わらない車に乗っていたモーリスは

車と同じボロを着た娘にあきれていた。なんて、お似合いなスチュエーション



ミシェルも車をじーっと見て
「えぇ、これに?
まさか乗れと?」
ちょっと遠慮気味なミシェルを見て

「大丈夫ですよ
乗れます!」
と今度はミシェルの手をフローレンスが引いた💦


「・・・」断るに断れない!

バタン ガチンアレアレ
シートベルトの挟む部分の金が
ドアを閉めた時に当たった。

ミシェルは心配そうに見るが
フローレンスもモーリスも
あんま気にした様子もなく
これが二人には普通なのかと
納得する。


「お父様、新車買ったのね」
フローレンスが嬉しそうに言うと

「ああ、昨日ウィリアム様から
急ぎの呼び出し受けて
とりあえず
スクラップ置き場にあったコレを
ボブやチャーリーと直して
間に合わせたアハハ」


「す、スクラップ?新車って言った・・・よね、新車が、廃棄寸前の車?」

ミシェルは心臓がドキドキ
「まだ乗れるよなぁ、勿体ない」
とモーリス
ウンウンと頷くフローレンス
2人の会話がミシェルには理解出来ない・・・

それでも昨日の夢うつつのせいか
フローレンスを確保した安心からミシェルはウトウト、しかし
キンキンキーン
金属の擦れる音がする。
危ない音に敏感なスパイ上がりの
ミシェルは直ぐ構える。

ブッブッブー

「車のマフラー落ちてますよー
ヒバナでてますよー」

「マフラーあぶないよー」

ブオーンブオーンとライダーの
オッサンも声をかける

「う、またか!」
モーリスは路肩に寄り車を止めると

針金を取り出しマフラーに括りつけ
それを車体に繋いだ

「ダ大丈夫ですか?これ」
目を飛び出す勢いでミシェルが
車体の下を覗き見ながら
不安そうに聞いた。

「ミシェルさん大丈夫ですよ
ウチではコレくらいは、
当たり前なんですよ。」
フローレンスは慣れなのか全然
ビビっていない!

「真っ二つにならない限り
ウチは乗り回してますよ。」
と呆気なくフローレンスは答える。

「え、えぇぇ!」
それからはウトウトどころじゃないガタガタと揺れる車体
道は舗道されたばかり
なのにこんなに揺れるのはやはり
車がボロッチイからだとミシェル
は理解している。

タイヤが外れないか?とか
ドアが外れないかとか

まさかまさかハンドルは外れ
ないよねとか

走ってるうちにバラバラと外れて
最後はハンドルだけなんて
ないよね━━━━━━━((((꒪꒫꒪ ))))ガタガタ

普通の車じゃ想像出来ない
事を心配する。

良くこんな呑気な顔で・・・
何事も無いように話す父と娘
二人の会話が耳に入って来ない程
ミシェルは今の状況に気を張っていた。
何年も歩んできたスパイ人生の中で一番の危機を感じる
逃げ出すに逃げ出せない
ミシェルの血の気がサーッと引く