🐞25



グルグルと、トラックターミナルの回りを回ったが、どれに乗せられて来たのかサッパリ分からない💦
携帯も財布も兄様の車の中だ!


「疲れたなぁ、」
とフローレンスは座る場所を探して少し休みたかった。

その時!
後ろからグイと腕をひかれ
口をハンカチで抑えられ
「ウグッウグググ」


「シッ静かにフローレンス様」

聞き覚えのある声にビクッ!?

「あ、アナタは!」

その人物を見てギョッとした。
「御無礼をお許しください!」
その話方は他人行儀過ぎるのにも
又ビックリ‼️

「エッ ミシェルさん・・じゃん」


「話は後です。
行きましょう」
ミシェルは上下黄色の作業着を来て
運送会社のロゴのついた、見た目
そのまんまの社員の服装をしていた。


「え?その格好って」


「シッ行きましょう」
小さくかすれた声で辺りを見回しながらミシェルは言った。
・・・
フローレンスはミシェルに言われるまま後をついて行く!

「監視カメラのある方は避けて
行きますから歩き難いけど
大丈夫ですからついて来て
ください」

「はい。」
と言うしかないじゃんか!
ミシェルはフローレンスの上司だ





ミシェルが突如トラックターミナルに現れた分けは・・・⬇





「厄介な事に・・・なったわね
ミシェルを呼んで・・・」

「はい、奥様」

執事のルノーは頷いて携帯を取り出し窓際に移った。
カールもケニーも何も言わず
俯いている。


「はい、はい、そうです。」
60歳過ぎのルノーの顔は硬く
丸いメガネをクイッとあげた。
きちんと七三に分けられた髪は
彼の真面目な性格が現れている。
青い目がスカーレットを見て

「はい、奥様も気落ちされて
おります。
はいそのようにお伝えします。」


ルノーが電話を切ると

「ミシェルはすぐ来てくれるの?」
スカーレットは急き立てるように
聞いた。

「はい、今から城を出るから
お待ちくださいとの事です。」

1時間程して
バタバタと足音が聞こえドアが大きく開いた。
「大丈夫か?」

走って部屋に飛び込んで来たのは
ウィリアムだった。

「リア殿下とロレンツオ殿下
それにオスカー国王に連絡した。
すぐ対応してくれるそうだ!
時期に見つかる。」


「はい、お兄様にお礼の電話を
しておきます。
アナタ ありがとう。」
スカーレットはウィリアムに感謝した、何時もスカーレットの前に立ちスカーレットを守ってくれる
歳をとってもその姿は変わらない。

「すみません
こんな事になって、なんの
関係もないウィリアム様に迄
ご迷惑かけることになって
私の不徳の致す所に
ございます。」

カールはうなだれながらウイリアムに頭をさげた。


「・・・カール」
後ろからケニーがカールを抱き締めて泣いた。


「あ、あのあ、あなたは?」
急にオバチャンと言っても良い
知らない人にギユューっとされて
カールはドンビキ

「あ、あのう﹏w」
とカールはウィリアムを見て、
オバチャンを見て
キョロキョロとするカールに

「ビックリしたわよね
あなたのお祖母様よ
そしてウィリアムと私の妹
あなたの母親ルーシは
このケニーが産んだ子なのよ。」


「エッ、母は身寄りがないはず
なにかのお間違いでは?」


「ごめんなさい
カール、あなたのような孫が
いた事も、孫娘フローレンスと
姉二人がいた事も知らなかった。」

その訳をケニーはカールに
話した。

「ごめんなさい
私達がルーシを公爵ミガンダに隠したいばっかりに、あの頃ミガンダは凄い財力で国をぎゅうじって
いたのよ
見つかればモーリスも巻き添えを
食って劣り潰しは免れ無かった
でしょう。」

と深々とスカーレットとウィリアは頭をさげた。
「そうだったのですね
母は身寄りも無い、天涯孤独と言っていました。そういう分けでしたか!」

カールはケニーに
「これから気にせず母に合って
ください。
俺が必ず守ります
フローレンスも探し出します。」

と立ち上がろうとしたら
バラバラバラと激しい音がした
ウィリアム邸のヘリポートにヘリ
が風を吹き回して降りて来た。


程なくして
ミシェルが飛び込んできた
ヘリを飛ばす事などスパイだった
ミシェルにはなんて事無い。


「ミシェル!」
カールが叫んだ。

一同の目がミシェルに集まった。
「皆様お揃いでしたか!」
ミシェルは頭をさげた。

「カール様ご無事でしたか
リア殿下も凄くご心配されて
おられました。それに
すぐ部隊をだされました。
非常線を貼られるみたいです
ロレンツオ殿下も同じ事を
おっしゃいました。

それに奥様
ラクサの花が咲いております
東から2本目の木です。
暖かいミルクとパンを・・」


「わ、分かりました
皆様、説明は後で
ミシェル行きましょう。」


ドタバタドタバタ
ケニー
スカーレット
ミシェル
は東から2本目のラクサの木のしへと向かった。

マダマダ膨らんだばかりのラクサ
の花の木に、ピンクの花を
ビッシリとつけた枝が一本しなる
ように花を咲かせていた。


「本当に咲いているわ。」
スカーレットが呟くとみんな
見惚れるようにみつめていた。

「奥様、お持ちしました。」
ニコリとも笑わないナルシアが
ピンクのラクサの花を見て
しゃがれた声で言った。

「やっと咲いたのですね
幸せのラクサ!」

スカーレットもミシェルもケニー
もナルシアの言葉に息を飲んだ

ミシェルが「幸せ?の」と言うと


「ラクサ?」
とスカーレットがつづけた。

ナルシアはニコリとまた微笑んで

そのまま何も言わずミルクとパン
を置いてナルシアは立ち去った。


スカーレット、ケニー、ミシェル
は言い伝え通り
「一大事、一大事、一大事」
と唱えたがナルシアがなぜラクサの花の事を知っているのかが
腑に落ちない!。

しかし今は本当に一大事なのだ!!
気にはなったが構っていられない
そしてその場を去った。



その夜は月光で昼間のような明るい
夜だったがみんな、フローレンスの心配とこれから何が起きるのかと思う 不安な興奮で眠れぬ夜を明かそうとしていた。

「みんなで、起きていたら
何も起きないわ、寝ましょう。」
スカーレットがそう言うと
ケニーが口を開いた。

「眠り薬を私持っています
私が服用してねむります
以前処方して頂いたのが
あります‼️」


「ああ、そう言えば私
風邪薬を持っていました、確か
バッグに入れっぱなしでした。
風邪薬も眠くなる成分が入ってたはず。」

ミシェルもそう言った。

とにかく皆部屋へ行って眠らないと言い伝えを信じるしかありません。そう言うとミシェルはゲストルームへ、カールも別のゲストルームへ ケニーは離れへ
ウィリアムとスカーレットは
部屋へ帰っていった。


月は神々しい光でウィリアム邸を
照らし続けていた。


コトンコトン
小さな音がした、しかしそれは
ミシェルの眠りを覚ますには充分
な物音だった。


ベッドの下に隠し持ったナイフを
ミシェルはソッと背にかくした。
すると声がハッキリと聞こえた!

「ミシェル、ミシェル
一大事よ!
良くきいてね。

目が覚めたら、ミガンダ邸の
敷地の外にあるトラックターミナルへ行ってフローレンスはソコにいる。」

ミシェルは強ばった声で言った。

「アナタはラクサの妖精?」


「うーw妖精?には
程遠いカモ」


「もし良ければ姿を見せて!!」


「ひ、人に見せる?
みせるの?」

「本当に一大事なんですよ
顔を見せあって相談したいの
です。」

ミシェルはベッドから出て、ポットのお湯をテーブルに置いて
「ココア?
珈琲?
紅茶?
ミルク?何をのみます?」
とお誘い作戦

「じゃあ、ココアを
飲んだ事が無いし…」

と乗って来た
接待は営業のキホン

甘いココアのかおりに
ニョッキリと顔を出したのは?
黒い先っぽが跳ねた
魔法使いの帽子をかぶった黒い
猿・・・だったミシェルは唖然


「さ、猿?」

「サル?私のこと?
私、猿って呼ばれてる?
さる?私の事?」


「あ・・うん猿!」


「ルーシは猿とは言わなかったヨ!」


「え⁉️ルーシ様の時も出てきたの?」
ミシェルはびっくりして猿にきいた。

「だって一大事、一大事、一大事
って呼び出されたもの!
しかたないじゃない
呪文をかけられたら押し出され
るんだもん。」


「おしだされる?
何処から出て来たの⁉️」

猿は木の小さな- ̗̀ 🕳 ̖́-穴から出て
おしだされると言う
その穴はラクサのピンクの花が
咲くと開くらしい。

そして閉じる。
その間に一大事を解決するが
決まり


「じゃあ、橋の上でモーリス様に
ルーシ様が会ったのは偶然じやないの?」

猿はウンウンと頷くと
「なんかもう1人いた
おばさんみたいな人」
一大事一大事って呼ばれたー」

「モーリスを迷わせて
ルーシに合わせたの!
イケメンがいいって言うから
イケメンと呪文をかけたら
カレが出てきたのよーw
ほらぁ
ルーシは幸せになれたでしょ。

もう1人のメイドさんもしっかり
パンとミルクとアップルパイを
出してくれたよ。」


「へぇーもう1人のメイド?」
ミシェルはポカーン
ハッと我に返り猿に聞いてみた。

「あ、ああそうだ、それは昔の
話で関係ないの!
ああ、そうねそうだ、まずは

フローレンスの居場所は
ありがとう

さあ、ココアを飲んで
そうだ、クッキーもどうぞ

で、もうひとつ一大事なのよ!」

「なあに?リアとロレンツオの
話?」


「ウワーそれも分かっているの?」


パリッパリッ
「勿論、一大事だもの」
5歳児位の黒い猿は毛並みも
ツヤツヤで丸い目をクルクルさせて
アチチフーフーしながらココアを
飲んで

「ウッワー
何コレ、あまーいい
いい香りー美味しい」
と目をキラキラ✨

「もう一杯どーぞ」
ミシェルはココアのオカワリを
勧める。


そんな中、謎が解けた
もう1人のメイドとはナルシアだ
歳の頃は私と同じ
あの頃ルーシ付きのメイドだった
のでは無いか?
だからナルシアは幸せのラクサと
言ったのだろう。