🐞13

フローレンスは相変わらずクルクルと働いていた。
その姿は活発で明るくて向日葵の
花が咲いたように雰囲気がいい。

恋愛はまだ苦手
何がlikeでLoveが何処からか、
線引きが分からない。
告白されてもどうして良いか
…?分からない



「私の理想はカール様✨」
と宣言していた為、フローレンスに思いを寄せる輩はいたものの
騎士団長カールアンダーソンと
勝負は無理だと諦めていた。

勿論、アリサには口だけと説明していた。


「ねぇねぇ知ってる?」
フローレンスに耳打ちして来たのは人事事務のモナだった。

「廊下ですれ違った時
騎士団の方が話されてたのよ

リア殿下のお見合いが
決まったらしいわよ。」


「え?殿下、結婚するの?」
フローレンスが声を殺して聞いた。

「らしいよ」
モナも丸い目を更に丸くして頷く。 
仕事中の為、短い会話は終わった
がフローレンスはニヤリ

『コレで殿下の目から逃れれる。』

ルルルルルルルルルルンルンルン
奴は私を捕まえてロレンツオ殿下に差し出し、幽閉の刑にしょうと
してたから結婚となれば
忙しくなってそれどころじゃー無いハズ‼️ウッヒッヒ、ヤッタ-

然、油断は禁物ね。
フローレンスは超ゴキゲンで
総務へと帰っていった。



そんな中、掃除のオバチャンが
座り込んでいた。
トイレの前の階段の下で・・
歳は割と若く60代って所だ。



「どうかしましたか?」
フローレンスはツイ、子爵家に居る年寄りに話すように気軽に
声を掛けた。


「!」
彼女は突然の問いかけにビックリ
した様子をしていたが

「ありがとう、時たま足が
脱臼してね、立てなくなるの
でもこうやって」
オバサンは片足をピーンとのばし
ポーズ20秒イタイタイタタタタ
か、肩かして」

オバちゃんは足をグウルグル
伸ばしたり斜めにしたり
フローレンスは、ジッと見る。

「ゴキッ は、入った!」

「だ、だ、大丈夫デスカ」
オバちゃんはウンウン頷き

「ありがとう。」
と言った。

「フウー」
オバちゃんは困った顔をして言った


「内緒だけどね、まぁ発表は
あるんだけど、あなたには
話してもいい気がするから
言うけど来月殿下の見合いが
あるの」


「あ、ああ!そうなんですね。」


「うん、でね、今足が外れる
頻度が早くて 」


「ん?」


「トイレ掃除と部屋の清掃が
私の仕事なのよ。」

「ほー」

「もし掃除の途中で足が外れたらと思うと・・殿下に申し訳ないわ」


ナルホド
「殿下に自分でやらせれば?」
フローレンスはアッケラカーンと
言った。

オバちゃんは
「め、滅相もない💦」


「じゃあ誰かに変わってもらうって、できませんか?」


「それが出来ればねー
今清掃部は人が足りないのよ
募集もかけてるけど中々
入ってもすぐやめるのよ。」

「なんでですか?
仕事が清掃だから?」


「いやいやそうじゃないわ
掃除が趣味って人もいるし
給料も高いし、その辺のパートより
もらってるよ。
デモ
新人イジメな人がいて
入った人をやめさせるのよ。」

「ヒエェェェ
派遣されたように1人は必ず居る
イジメ専門の新人潰しって奴?」

「イヤイヤアンタの言うような
大袈裟なんじゃ無いよ

ん?

そうでもないか?
いやいや、やっぱそうかな?」

オバちゃんは頭をぐねりだした。


「まぁそんなんがいるんだよ
結局無理がコッチに回って来るし
私も足さえ丈夫ならねぇ」

と、おばちゃんは膝小僧をまあるく
撫でた。
フローレンスは
「アルバイト1時間、幾らですか?」



「んー1時間1700ペロかな?」
(1700円)
オバちゃんはニッコリ笑うと社員に
なればもっとたかいよ。
色々特典もあるし、なんせ天下の
リア様のお世話が出来るんだから
あんた、コッチにこないかい?
と言った。

「えー!」
フローレンスは迷った。
しかし花嫁見習いと両親には
伝えてある、しかし清掃の仕事
にも魅力を感じる💰💰。
なんせ新人潰しの奴にも、どんな手を使うのか会ってみたい気もして来た。


入ったばかりで、同じ城内と言う
ものの転職は早すぎやしないだろうか?今の職場は好きだし・・
フローレンスは脱臼オバちゃんの
顔を見て


「私、やっと勤めが決まって
今頑張って仕事覚えて来てて」
と言うフローレンスに
脱臼オバちゃんは足が繋がった
様子で、足を伸ばしたり縮めたり
コキンコキンと音をたてて
?手を空に伸ばし足をピーン
なんか分からないバレリーナポーズ


「良し、完璧繋がった、」
そうニコニコしながら言った。


フローレンスは何がどう繋がったか分からない。
足がどうバラバラになってたのか?
分からない、外れてたのは骨?
肉?はてさて?

考えてオバちゃんの細い足を見て
悩んでいると

「土日祭日のバイトでもイイヨ」
と言った。

「じゃあ、考えてみてよ
私は清掃部のミシェルよ」


「あ、私はフローレンスです。」
フローレンスも慌てながら自己紹介

「じゃあフローレンス又ね。」

ぎこちない足取りでオバちゃんは
去って行った。


ボーっと見送るフローレンスは、
!!!( ゚д゚)ハッ!!!!とする。

「ヤバ、昼休み終わっちゃう」
フローレンスはバタバタと城内にあるコンビニへと猛ダッシュ
速い速い!風を切って走る。


「やった、アンパーンゲット」
パパパっとお支払い
使いたくないお金もアンパンの為
なら支払いも仕方があるまい!

キキキーと角を曲がる
アンパンと珈琲牛乳🐮500mlを
抱え自分の席へと帰りサッと
机の下に潜ってパクパクパク
仕事中は飯禁止!!
見つからないように食べる。

腹が減っては仕事は出来ないエヘヘ
フローレンスは、売り場にまだ
アンパンが残ってて買えた
ので上機嫌ウンマウンマッ

ウ。ンマ?

アンパン大好き♡
え!!
フローレンスは
オフィスの空気が急に冷えたのを
感じた。

ん?パクッモグ・・・モグ

シ━━━━━━━━━━━━ン!!

話がシッカリ聞こえる。

「殿下、そのような者は
おりませんぞ」


「いや、確かに見たのだ走って・・」

リアはグルリと見渡した。
コツコツコツと響く足音


がフローレンスの前で、ピタッ止まる!

ギョッฅ(º ロ º ฅ)ハッ!!
突然
フローレンスの目に飛び込んで
来たのはペカピカの先の細い革靴

コーヒー牛乳を抱きしめ
👞👞
┣¨‡ ┣¨‡( ꒪Д꒪)ヤバ…┣¨‡ ┣¨‡┣¨‡ ┣¨‡┣¨‡ ┣¨‡┣¨‡ ┣¨‡バクバク

飯所じゃあ、ねーよゴクッ
がっついていたが食欲失せる。

しばらく彼はキョロキョロしていたが、フローレンスは息をのみ固まる。


暫くして、コッコッコッと足音を響かせて前に進んでいたがパタッ
足音が止まる、リアはパッと振り向きオフィスを見る
皆、リア殿下を見送る様子で頭を下げていた。

リア殿下は😩💨ハァーと深い溜息をついて出て行った。


フローレンスは自分の机の下で暫し放心状態。




「あーε~ゞフー
カナリ ヤバかった。」

凄い脱力感‼️
マジ冗談じゃない!
コーヒー牛乳を一気飲みして
落ち着きを取り戻す。
アンパンの袋を丸めながら

ゴソゴソと机の下から出ると
キョロキョロ
皆パソコンに向かって自分の世界
同僚はフローレンスの事を気にした様子もなくフローレンスも
フツーウに仕事をこなす。

しかし、なんでバレたのかフローレンスには分からない.。oஇ



「確かにあの足の速さ
右に左に揺れる柔らかそうな
ブラウンな髪・・・彼女だ!」

「いや、顔を見た訳じゃない
走る姿や容姿が似ていただけかも
しれない。」

リアはずーっと独り言を呟き
キョロキョロしながら帰って行った。

そんな様子を見たカールも首をひねる。



「全くすばしっこい
何というジャジャ馬だ!
撮っ捕まえてやる、必ず!」

カールもリアの後を追いかけていた
後ろ姿の女の子は成程
可愛い様におもえた。

色恋沙汰で興信所や兵を使う訳にも行かない。他に手は・・

リアは考える、ジャジャ馬を捕まえ
る方法

「罪をきせてつかまえる・・か?
指名手配はどうだ」


「それは・・嫌われますぞ」
側近の1人ハリーが答える。

「・・・・・💦そうだな
捕まえてから謝るのはどうだ!」


「天下のリア殿下とあろうお方が
情けない!」

カールは首をガックリと項垂れ
右に左に振った。


そんなカールの気持ちもどこ吹く風
リアは娘を捕まえるスベを考えていた。

会議を開いて作戦を考える訳にも
行かずリアは頭を捻っていた!


一方、ロレンツォは行動派
じっと待つタイプじゃない!!
ホースラデDーレーン国にスパイを 走らせて
フローレンスを探していた。
しかし城へはさすがにスパイを
入れる訳には行かない

軍事手段に出たのだと勘違いを
されない為だ。
リアがどんな奴か、ロレンツォがどんな奴かお互い知っている。