「…慈美、好きだ」

「わたしもだよ、彪雅っ…」


わたしたちはお互いの背中に腕をまわすと、ギュッと抱きしめ合った。


「でも、慈美はこれから酒は禁止だな」

「そんなの…!まだ未成年なんだから飲まないよ…!さっきのは間違って――」

「わかってるって。そうじゃなくて、たったあれだけの量で酔っ払ってキス魔になられちゃ、俺が心配だよ」

「…どうして?」

「だって、他の男に慈美がキスしたらなんて考えると――」

「…しないよ!そんなことっ…!」


と、全力で否定してみたものの、…実は自信がなかった。

なぜなら、記憶がないまま彪雅とキスしてしまっているから。


…だから、もう間違ってでもお酒は飲まない。


そう心に誓った。


「それに、そもそも他の男なんかに見せられるわけねぇだろ。キスをねだる…慈美、すっげーかわいかったから」