彪雅が、ほんのり顔を赤らめながらそう話してくれた。
そして、アジトへ入るとき、わたしの頭の上に上着を被せた彪雅。
『そういえば、このアジトへ入るとき、なんでわたしの頭の上に上着を被せたの?』
『…まぁ、とくに意味はねぇよ。気にするな』
わたしが尋ねたときは、ああ言っていたけど――。
「今だから言うけど、ONEのメンバーには顔を見せたくなかった。…慈美のかわいさを知られたくなくて」
そう言って、彪雅はため息をついた。
「『総長』って呼ばれるからには、あいつらの前ではちゃんとしてるつもりだけど、…本当はこんなのなんだよ。惚れた女を独り占めしたくてたまらないっ」
…初めて知った。
彪雅の意外な部分を。
クールで、最強だと思っていたONEの総長だけど――。
実は、好きになった女の子にはとろけるくらい甘くなってしまうなんて。
そして、アジトへ入るとき、わたしの頭の上に上着を被せた彪雅。
『そういえば、このアジトへ入るとき、なんでわたしの頭の上に上着を被せたの?』
『…まぁ、とくに意味はねぇよ。気にするな』
わたしが尋ねたときは、ああ言っていたけど――。
「今だから言うけど、ONEのメンバーには顔を見せたくなかった。…慈美のかわいさを知られたくなくて」
そう言って、彪雅はため息をついた。
「『総長』って呼ばれるからには、あいつらの前ではちゃんとしてるつもりだけど、…本当はこんなのなんだよ。惚れた女を独り占めしたくてたまらないっ」
…初めて知った。
彪雅の意外な部分を。
クールで、最強だと思っていたONEの総長だけど――。
実は、好きになった女の子にはとろけるくらい甘くなってしまうなんて。