確か、わたしはソファで眠ってしまったはずだ。


それなのに、今はベッドの上…。


わたしをベッドまで運んできて、そこでいきなりキスするなんてっ…。


彪雅は、他の男の人とは違うと思っていたのに、信じたわたしがバカだった…!


――それに…。


「…ファーストキスだったのにっ」


そうつぶやくと、目の奥がじわりと熱くなった。

そして、次から次へと波が押し寄せてきて、それが涙となって溢れ出す。


「慈美…、驚かせて悪かった。でも――」

「…こないで!言い訳なんて…聞きたくないっ!」


わたしに触れようとする彪雅の手を力いっぱい振り払った。


――だけど。


「女々しいかもしれねぇけど、言い訳だけさせてほしい」


彪雅はわたしの手を捕まえると、真剣なまなざしでわたしに訴えかけた。