わたしはゆっくりと目を覚ますと、目の前の光景に一瞬息が止まった。


なぜなら、すぐ目の前には彪雅の顔。

しかも、…目が合った。


それに、それにっ…。

なぜか、わたし――。


彪雅にキスされてる…!?


わたしの唇に触れる柔らかい感触の正体は、マシュマロでもソフトグミでもない。


…彪雅の唇だった!



「なっ…!なにするの…!!」


わたしは、とっさに彪雅を突き飛ばした。


どうやらわたしはベッドの上にいたようで、彪雅はそのベッドの端に頭を打ちつけた。


ゴンッと鈍い音がして、一瞬焦った。


でも、打った頭を痛がって擦る彪雅を見て、大丈夫そうだと思い、少しだけ安心する。


…って、安心してる場合じゃない。


「さっきの…。どういうつもり…!?」


わたしは、瞬時に彪雅と距離を取った。