ソファの隣に座っていた彪雅が、呆れたようにため息をつく。


「心配すんな。俺はソファで寝るから、慈美はベッドを使えよ」


まるで、わたしの心を見透かしたような彪雅の言葉に驚いた。

どうやら、彪雅にはわたしの考えていることがバレバレらしい。


今日会ったばかりだというのに、「慈美は顔に出やすいから」なんて言われて。



そのあと、お互いのことについていろいろと話した。

今さらだけど、自己紹介。


謎に包まれていたONEの総長だったけど、実はわたしと同い年だったということに一番驚いた。


だって、見た目や言葉遣いからして、てっきり年上だと思っていたから。


だから、わたしの中では、彪雅は『ONEの総長』というよりも、彪雅は『彪雅』。

そんな気がした。



そうして、ようやくレモンの缶ジュースを飲み干したころ――。