おじさんとおばさんには、【少しの間、友達の家にいます】と連絡を入れておいた。


これが普通の家庭だったら、『友達ってだれ!?』とか、『そんなわけのわからないこと言ってないで、早く帰ってきなさい!』とかっていう電話やメッセージがくることだろう。


しかし、わたしの場合は、既読マークがついただけで、返信はなにもなかった。



ひょんなことから、しばらく彪雅の部屋に居候させてもらうことに。


でも、わたしだって、男の人の部屋にいっしょに住まわせてもらうことに、抵抗がないわけがない。


『男はオオカミ』だって言うし…。

って、由奈が言っていたし。


いくら彪雅が優しそうだと思っても、まだ会ったばかりなのだから…気をつけなくちゃ!


わたしは身構えながら、さっきのレモンの缶ジュースを一口飲んだ。


…そんなわたしの視線に気づいたのだろうか。