わざわざ、1人でMiLLiONに突っ込んで、わたしを助ける義理もメリットもないはずだけど…。
すると、不審がるわたしを見て、黒髪の人はキョトンとして首を傾げた。
「そんなに難しく考えることか?たまたま通りかかったら、『助けて』って声が聞こえた。だから助けた。たったそれだけのことだろ?」
まるで、スーパーマンかのようなセリフだけれど、黒髪の人は当然というふうにそう答えた。
それを聞いて、少しだけ身構えていた自分がバカみたいに感じた。
この人は、あの場からわたしを助けたからといって、わたしになにか見返りを望んでいるわけでもない。
無意識に助けることが、当たり前なんだ。
人通りのない路地で、確かにわたしはあのとき叫んだ。
『…だれかっ!助けて!』
だれにも届いていないと思っていたけど――。
すると、不審がるわたしを見て、黒髪の人はキョトンとして首を傾げた。
「そんなに難しく考えることか?たまたま通りかかったら、『助けて』って声が聞こえた。だから助けた。たったそれだけのことだろ?」
まるで、スーパーマンかのようなセリフだけれど、黒髪の人は当然というふうにそう答えた。
それを聞いて、少しだけ身構えていた自分がバカみたいに感じた。
この人は、あの場からわたしを助けたからといって、わたしになにか見返りを望んでいるわけでもない。
無意識に助けることが、当たり前なんだ。
人通りのない路地で、確かにわたしはあのとき叫んだ。
『…だれかっ!助けて!』
だれにも届いていないと思っていたけど――。