MiLLiONの総長――。

さっきの銀髪の人だ。


「あいつは、狙ったものは力づくでも手に入れようとする。地位も女も。もしこのまま帰ったって、また狙われるだけだ」

「…そんなっ」


わたしはただ、なにもない平凡な毎日を過ごしていただけなのに…。


「でも、安心しろ。俺やONEのメンバーが、全力でお前を守ってやる」


黒髪の人は、MiLLiONと同じ暴走族総長と言っても、あの銀髪の人とは違う。

だから、こうしてわたしを助けてくれたのだ。


――だけど。


「どうして、さっき会ったばかりのわたしに、そこまでしてくれるの…?」


MiLLiONの総長は、仲間からの報告を聞いて、ずっとわたしのことを見ていたみたいだけど――。

でも、この人は違う。


まだ会って、1時間ほどしかたっていない。