そのONEの最強総長が――。

今、わたしの目の前にいる…この人。



MiLLiONといい、ONEといい、これまでわたしには無関係だった有名な暴走族に1日で関わってしまい、頭の整理がついていけない。


ただ、さっきのように、暴走族同士の抗争はあったとしても、ONEはMiLLiONみたいに、一般人に危害を加えることはなかったはず。


なのに、なぜわたしはONEのアジトへ…?



そんな不安げな表情が顔に出ていたのだろうか。

黒髪の人が、プッと小さく噴いて笑った。


「そんな顔するな。べつに、取って食おうなんて思ってねぇよ」


…やっぱり、わたしの考えはバレバレだった。


「でも、しばらくはここに身を隠していたほうがいい」

「…えっ?どうして…?」

「MiLLiONの総長に目をつけられているからな。あいつは、厄介だぞ」