部屋の片隅には、黒色の寝具で揃えられたベッドもあった。


「ここは、俺の部屋だ。ONEのアジトのな」

「…ONE!?」


銀髪の人のように、『総長』と呼ばれていたから、ただ者ではないとは思っていたけど――。

…まさか、あの『ONE』の総長だったなんて。



『ONE』とは、全国で一番の強さを誇る暴走族。


わたしでも、名前くらいなら知っている。

それに、おそらく『ONE』を知らない人はいないのではないだろうか。


だけど、どんな集団なのか、リーダーはだれなのか。

そういった詳細はあまり知られていない、謎に包まれた暴走族なのだ。


ただ言えるのは、ONEのリーダー…。

つまり総長は、恐ろしくケンカが強いということ。


その拳で、ONEは全国一の暴走族にまで上りつめたのだから。