由奈の誘いで、先月1つ上の男子高生グループと放課後にカラオケに行った。


わたしはまったく乗り気ではなかったのだけれど、由奈に誘われて人数合わせのために仕方なく参加したものだ。


男女4人ずつ集まって、カラオケは大いに盛り上がった。

…わたし以外は。


わたしは歌を歌うわけでもなく、ただ端の席でジュースを飲みながら、みんなの様子を眺めているだけだった。


ノリの悪い、可愛げのない女。


男子高生からはそう思われていたに違いない。

だけど、1人だけやたらとわたしに話しかけにきてくれた男の子がいた。


それが、タカトくんだ。


カラオケ後、タカトくんはわたしを家まで送ると言ってくれて、途中までいっしょにきてくれた。


でもわたしは、だれかに見られるのもいやだったから、最後まで送ってもらうことはしなかった。