物音に気づいて、銀髪の人が引き返してきた。


「それが…総長っ!!こいつ、おそらくONEの――」


わたしを持ち上げていた男が銀髪の人に助けを求めるも、そのみぞおちに黒髪の人の拳がめり込む。


突然のことで、なにが起こったのかわからない。


だけどわたしは、ひとまず3人組の男から解放されたのは確かだった。


と安心したのも…束の間。


「な…!なにするんですかっ…!」


わたしは、黒髪の人に抱き寄せられた。


そして黒髪の人は、銀髪の人と向かい合う。


「目をつけた女を無理やり連れ去る…。お前も、相変わらず悪趣味だな」

「…てめぇには関係ねぇだろ。それよりも、オレの女に気安く触れんじゃねぇ」

「お前の女…?そうなのか?」


そう言って、黒髪の人はわたしに顔を向けた。

その問いに対して、わたしは精一杯に首を横に振った。