黒髪にゴールドのハイライトが入った、緩めのパーマのあたったヘア。


一見細見に見えるけど、雨に濡れた白いTシャツから透けて見えるのは、鍛え上げられた体。


そして、すべてを見透かすような瞳に見つめられたら、なぜだか身動きすることなんてできなかった。


しかし、身動きが取れなかったのは、なにもわたしだけではない。


わたしを捕らえていた男たちもそうだった。


「ま…まさか、お前っ…」

「『ONE(ワン)の――」


と言いかけた男の頬に、その黒髪の人は強烈な一撃を加える。


すぐ目の前で人が殴られ、驚いたわたしは声も出なかった。

きっとさっき倒れた1人目の男も、この人がやったに違いない。


新しく現れた謎の男に、わたしは今の状況についていけなかった。


「…どうした、お前らっ!なにがあった!?」