男たちが、わたしを無理やりバイクに乗せようとする。


「それ以上抵抗するっていうなら、大人しくしてもらうしかないな」


男の1人が拳を振り上げた。


男たちにとって、わたしを黙らせる方法なんていくらでもある。


…でも。

この男たちのバイクに乗ってしまったら…終わりだ。


必死に抵抗するも、わたしの体は軽々と男に持ち上げられた。


――すると、そのとき。



「手荒なやり方は変わらねぇな」


路地に突然、聞き慣れない声が響いた。

銀髪の人でもなく、この3人組でもない…初めて聞く声だ。


と思ったときには、3人組の男のうちの1人が、ドサッと膝をついて地面に倒れたのだった。


「…きゃっ」


予想外の出来事に、思わずわたしの口から小さな悲鳴が漏れた。


そして目を向けると、倒れた男の背後には、長身の男の人が拳を握りしめて立っていた。