すると、いきなり後ろから腕をつかまれた。


「…やっ!離して…!」

「構わず連れて行け」

「「わかりました!」」


3人の男の人の力に敵うはずもなく、わたしは無理やり体を引きずられる。


「とりあえず、話はオレたちのアジトでしようか。…なぁ、慈美」


銀髪の人は、不気味な笑みを見せた。


断れば、こうなることくらい想像はついた。

だけど、わたしはそんなことに屈して、この人の提案を受け入れることのほうができなかった。


「…だれかっ!助けて!」


またこの前のときのように、大声を出せば人が気づいてくれるかも。


そう思ったものの、前と違って場所が悪い。

こんな人気のない路地で、わたしがどれだけ叫んだところで、この声がだれかに届くはずもなかった。


「さっさと諦めなっ」