会ったばっかりで、…いきなり彼女になれ?

それに、MiLLiONの総長という立場を利用して、わたしを無理やり自分のものにしようとしている。


わたしは、この人の物でもおもちゃでも…なんでもない。


…わたしは、わたしだっ。



「……ャ…です」


雨音にかき消されそうなわたしの小さな声が、かすかに路地に響く。


「…あ?なんか言ったか?」


首を傾げる銀髪の人に向かって、わたしはキッと睨みつけた。


「…イヤですっ。あなたの彼女になるなんて、絶対にイヤです!」


わたしが精一杯に声を振り絞ると、銀髪の人の口角がニヤリと上がった。


「…そうかよ。せっかくオレの女にしてやるって言ってんのに、まったくバカな女だ」


吐き捨てるようにそう言い、わたしの後ろにいた3人組に顎を使って合図をする。