それが、『由奈(ゆな)』という名前の女の子だ。


由奈とは、中学1年から3年まで同じクラスに。

目立つことや、人と会話をすることが苦手なわたしの気持ちなんてお構いなしに、ズカズカと入り込んできたのが、当時中学1年生の由奈だった。


初めは戸惑ったものの、親しみやすい由奈にわたしは徐々に心を開いていった。


由奈はわたしと違って他に友達も多く、流行りのものや噂話にも敏感だ。


だからある日、由奈からよくない知らせがわたしの耳に舞い込んできた。



「慈美…!大変だよ〜!」

「どうしたの、由奈?」

「この前いっしょにカラオケ行った、高校生グループあったじゃん?」

「あ…、うん」

「その中で慈美狙いだったタカトって人、実はマイ先輩の彼氏らしいの〜…!」


由奈は怯えた表情で、小声でわたしに耳打ちをする。