「確かに、お前らの言うとおり、近くで見たらいい女じゃねぇか」


そうつぶやいて、反対側にいる3人組に声をかけた。


「絶対、総長なら気に入ると思ってました」

「ただ拉致するだけじゃ、もったいない女なような気がして」

「おい、よかったな女!ウチの総長のお眼鏡にかなって!」


3人組の男たちはゲラゲラと笑う。


会話からしても、わたしを取り囲んでいるこの男たちは全員仲間。


しかし、わたしはとんでもない勘違いをしていた。


てっきり、銀髪の人も同じ仲間だと思っていた。

仲間であるのは間違いないないのだけれど、――立場が違う。


『絶対、総長なら気に入ると思ってました』

『おい、よかったな女!ウチの総長のお眼鏡にかなって!』


さっきの会話を思い出すと、この銀髪の人は『総長』と呼ばれていた。