世界一可愛いから、お咎めなしで終わるよね?
 だって実際にやったのは、あいつらだから。

「ゆいちゃん見捨てて、娘がいい生活なんて生意気にもほどがあるじゃない? 親不幸の娘として名前が売れて良かったじゃん? 調子に乗ってるから、子供達が誘拐されるのよ。汚名をつけられたくないなら、ゆいちゃんの今後の生活保障してよ。ゆいちゃんは、世界一可愛いから、家族に愛されて老後過ごすのが夢なの。あと、減刑署名よろしく」
 結花は「ってことで、裁判官さーん、ゆいちゃんに無罪よろしく!」とウィンクした。

 裁判官は結花のアピールに顔色1つ変えず「以上ですか」と尋ねた。
 結花は「はい」と満面の笑みで答えた。

 第一審は無期懲役だった。
 しかし結花側が納得いかないと、控訴、上告した。

 ――懲役3年、執行猶予5年2ヶ月となった。

 一連の事件による判決は、ネットで軽すぎないかという声が出た。
 結花が逮捕されたときに、過去のことがネットで出回り、ライブチケットの転売の件が拡散された。
 そのことを引き合いにし、更正の余地なさそうなのに、甘くないかということから。
 陽鞠はじめ、庄吾、悠真そして静華も、結花に対して極刑を望んでいた。