検察側による証人尋問で、被害者である琥珀と翡翠は、結花と顔を会わせたくないということで、別室で保護者立ち会いのもと出廷した。
 稲本陽鞠、庄吾夫妻、悠真、そして姉の静華。
 公に結花と関わらないと表明していたが、陽鞠の義父と静華の夫の朝典と親族関係ということもあり、今回付き添いで来た。
 朝典は傍聴席にいる。

 結花の出廷姿に静華は凝視しながら「まだ生きてたんだ。てっきり社会的に抹殺されてるかと思った」「相変わらずTPO弁えられてないね。今日はある意味主役だけど」と挑発するように呟いた。
 静華はベージュのブラウスに、グレーのパンツスタイルだ。
 正反対の服装の妹を見て軽蔑の視線を向ける。
 
 じいじの別荘へ行く最中に、川口のお兄ちゃんから、オレンジジュースを貰って、飲んだ後に段々眠くなった。
 目が覚めたら暗い所に閉じ込められて動けなくなったけど、すぐに神牧のお兄ちゃんがやってきて、外してきた。ごめんなと言っていた。 
 そこから神牧のお兄ちゃんと曽田のお兄ちゃんとゲームしたりおやつ食べたり、虫取りしたり、夏休みの宿題を手伝って貰った。
 殺されるとは思ってなかった。言い遊び相手のおじちゃん。