悠真は時々娘夫婦の様子と孫と遊ぶのに、家に呼んでいたが、住居をネットで拡散されたため、引っ越しせざるを得なくなった。
 そこで庄吾から敷地内同居を提案されたので乗った。
 勤が『うちで全然使ってない家あるので、そこはどうだ』と都内から電車で1時間離れたエリアを紹介された。
 そこは駅から15分の日本家屋だった。
 元々武家屋敷が並んでいた場所で、やたら広いお家が今でも残っている。
 稲本家の数代前がよく使っていたが、建物は少し老朽化しているので、和風モダンにアレンジする予定だ。 
 5LDKの平屋なので、男性1人増えても十分な広さだ。
 それに庭もそれなりに広いので、子供達がはしゃいでも十分な間取りである。

 仕事も家で出来ることは家でし、どうしても出社の必要があれば出てくる形にした。 

 今回の結花の件で、陽鞠をはじめ、姉の静華と兄の良輔、そして稲本家も住民票が閲覧出来ないように制限をかけた。
 元々かけていたが、今回居場所が広まったこともあるので、悠真が念押しするかのように市役所にお願いした。

 陽鞠夫婦と悠真が同居しているのを知っているのは、良輔と静華、そして加藤望海ぐらい。
 結花から連絡来て聞かれても無視するように口止めした。