既婚者であることや陽鞠との関係は公表していない。しないように陽鞠がお願いした。これは陽鞠の仕事先でも同じだ。
 もし、結花に知られたら狙われるから。
 地位や見た目を重視する彼女なら、やりかねない。
 双方関係を非公開にしている以上、庄吾はマスコミの餌食にならないよう、”お行儀よく”やっていかないといけない。

 庄吾はSNSをやっているが、全てスタッフ管理に任せている。
 プライベートは載せないことを条件に。
 
 陽鞠は『母親もどき』がドラマになる話が出た時、嬉しさ反面、断ろうかとせめぎ合った。1年前の夏の時期だ。
 主人公の母親が癖強いので、クレームが来るんじゃないかという理由だ。
 陽鞠の心配事は杞憂だった。

 主役が人気俳優・女優であるのも1つ。
 母親役の古関波奈は今まで清純なキャラが多かったが、今回『母親もどき』で遠回しにメンタル削る母親役を演じることで、ネットで話題になった。

「確かに嫌がらせメッセージリアルに来てるし、ドラマや、古関さんのSNSに嫌がらせコメントめっちゃ来てるって。ホームページ読んでないのかな?」
 おそらく原作を読んだ人達のものだろう。