自分の部屋の掃除も、プライベートだからいいよと言っても、母は『お手伝いさんにさせればいい』『お母さんがやるから』とやっていた。
兄と姉の部屋も母がやりたがってたけど、2人は頑なに拒否していたと思う。
「本来なら将来に向けて、出来るようになるものだけど、お母さんが全部阻止してたんじゃない? 他人にやらせとけばいいみたいな。それが染みついてたんでしょう。自立って、全部自分で出来るようになるんじゃなくって、必要な時に助けを求める力も入るんです。それすら教わってなかった。悪いとこは悪い、いいと思ったとこは褒められることなく生きてきた。全部お母さんが尻拭いしていたから」
「結果、今では"自称お姫様"の痛いオバさんのできあがりと。こっちとしてはたまったもんじゃないな」
「社長、言い過ぎです」
浅沼の辛辣な言葉に丸岡が止める。
「家族に見切られたんでしょう? 気づくのは遅かったけど、これから"自立"すればいい。分からないことは調べたり、相談する。そして真面目に仕事する。そしたら、もしかすると周りの目は変わるかもしれない。家族に会えるかもしれない。変わった自分を見せるためにも、今から努力するんです。しょうもないプライドを捨てて、現実に向き合う」
はいと静かに頷いた結花。
兄と姉の部屋も母がやりたがってたけど、2人は頑なに拒否していたと思う。
「本来なら将来に向けて、出来るようになるものだけど、お母さんが全部阻止してたんじゃない? 他人にやらせとけばいいみたいな。それが染みついてたんでしょう。自立って、全部自分で出来るようになるんじゃなくって、必要な時に助けを求める力も入るんです。それすら教わってなかった。悪いとこは悪い、いいと思ったとこは褒められることなく生きてきた。全部お母さんが尻拭いしていたから」
「結果、今では"自称お姫様"の痛いオバさんのできあがりと。こっちとしてはたまったもんじゃないな」
「社長、言い過ぎです」
浅沼の辛辣な言葉に丸岡が止める。
「家族に見切られたんでしょう? 気づくのは遅かったけど、これから"自立"すればいい。分からないことは調べたり、相談する。そして真面目に仕事する。そしたら、もしかすると周りの目は変わるかもしれない。家族に会えるかもしれない。変わった自分を見せるためにも、今から努力するんです。しょうもないプライドを捨てて、現実に向き合う」
はいと静かに頷いた結花。