大げさに腰をさすりながら、吉岡に話しかけるが「そうですか。遅刻するなら、一言ください。丸岡さんが何回も電話してましたよ」と話題を変えた。
責任者である丸岡が9時から9時半の間に4回ほど電話かけたものの、結花の返事はなしだった。
結花は丸岡の電話を全て無視し、呑気に化粧したり、テレビ見てからの出勤だった。
寮母がさすがに「早く行った方がいいのでは」と声かけたが「ゆいちゃんは、"病み上がり”だから仕方ないでしょ」と一蹴した。
しかし結花は病み上がりというほどでもなかった。
医者による処方で、湿布薬や痛み止めを服用したおかげで動けるほどになっている。
「えー、そーなのっ?」
がさごそと鞄を開けてスマホをチェックすると「ほんとだ。知らなかった」と舌をだして笑ってごまかしたが、机を見て言葉を失った。
結花の私物がなくなっていた。
陽鞠と悠真と一緒に家の前で撮った家族写真。
子供の頃から結婚式まで、結花が主役で写っているもの。
化粧ポーチにスマホの充電器に、職場で使うタブレットPC。
机の引き出しを確認すると、きれいさっぱりなくなっていた。
責任者である丸岡が9時から9時半の間に4回ほど電話かけたものの、結花の返事はなしだった。
結花は丸岡の電話を全て無視し、呑気に化粧したり、テレビ見てからの出勤だった。
寮母がさすがに「早く行った方がいいのでは」と声かけたが「ゆいちゃんは、"病み上がり”だから仕方ないでしょ」と一蹴した。
しかし結花は病み上がりというほどでもなかった。
医者による処方で、湿布薬や痛み止めを服用したおかげで動けるほどになっている。
「えー、そーなのっ?」
がさごそと鞄を開けてスマホをチェックすると「ほんとだ。知らなかった」と舌をだして笑ってごまかしたが、机を見て言葉を失った。
結花の私物がなくなっていた。
陽鞠と悠真と一緒に家の前で撮った家族写真。
子供の頃から結婚式まで、結花が主役で写っているもの。
化粧ポーチにスマホの充電器に、職場で使うタブレットPC。
机の引き出しを確認すると、きれいさっぱりなくなっていた。