彼女の娘は結局それが原因で転校になった時は、正直嬉しかった。
 親の因果は子に報いるから。

 彼女が警察のお世話になって、ホームレスになったらしく、それ系の支援の人にうちを紹介されたと。
 復讐のチャンスだと思った。
 だからあえて採用させて、私の下で働かせようと思った。
 私が責任者であることをアピールして、昔と立場が違うことを分からせる。
 プライドの高い彼女には大ダメージだ。
 しかも雑用と言うところがポイントだ。
 ここの部署だともう出世なんて出来ないし、彼女のキャリアや年齢的にも難しいだろう。
 同級生達が出世している中、このような扱いをされる元お嬢様は滑稽だ。
 さて、身の程弁えてもらおうじゃないか。

「呉松さん、悪いけど中学時代の仕返しするから。君は雇われの身で、家族から見捨てられたんだろ? 他の行き場もないだろうし、ホームレスになるよりは、ここで大人しく言うこと聞いた方が賢いと思うんだ」
 そうそうと言わんばかりに丸岡も頷く。
 歯を食いしばって結花は「分かりました」と不承不承で目を合わせることなく返事した。

 くっそ、世界一可愛いゆいちゃんが同級生に頭下げるとかほんと無理。
 こんなやつに使われるとか嫌なんだけど。