今まで"無意識"に嫌がらせしてきた人に天罰が必要だ。
 
 施設側は、いい加減母をなんとかしてほしいと思っている。
 説明している時の大磐の口調がだんだん強くなっているのが、ありありと伝わった。

 これ以上母による被害者をなくすために、厳しい処置をしよう。
 これだけ証拠を提示されても全く理解しないのだから。

「――なにいってんだ? 母さんは、人を殺しかけたんだ! 嫌がらせしてんだ! これだけ証拠出てるのに、母さんは悪くないってな、さすが”いじめっ子の血”を引いてるだけあるな」
「なによ! 今関係ないじゃん! てかこれって、全部施設の管理不足じゃない? 家族が知ったら、訴えられるのはそっちよ? もし、バレたくなければ、ゆいちゃんと結婚したら、なかったことにしてあげる」
 結花は意地の悪い笑みを浮かべて、大磐を挑発する。
「残念ながらそのようなことはいたしかねます」
「世界一可愛いゆいちゃんが結婚してあげるっていってんだよ?! ありがたく受け取らなきゃ!」
「そのような申し出はいたしかねます」
 
 きっぱり断られ結花は辺りをキョロキョロ見回す。

 なんで? 世界一可愛いゆいちゃんが、断られた!
 どうして? ゆいちゃんと結婚したら、事故もなかったことにしてあげるのに。