全て解決したかのように見せかけて、裏では沢山の人が泣き寝入りしている。理不尽な扱いをされている。
「呉松さんとこの結花ちゃんと周子さんは関わるとトラブルになる」
 起きたら起きたで、たとえ結花に悪いところがあっても、周子の圧力と脅しで、解決したことになる。自分たちが不利になる。
 だから表面上の付き合いしかしない。必要最低限しか関わらない。
 悠真との離婚やマッチングアプリで出会った男性を騙してた件も、一応自力でやったということになっているが、最初だけ。実際はパパ活やってた。結局田先家が代わりに支払って終了だった。
 結花は根本的に自力で自分の困難に立ち向かっていなかった。
 本気で自分の悪行に向き合っていなかった。
 田先家が借金返してくれてラッキーぐらいしか思ってなかった。
 真っ白になったと思って、田先家でやりたい放題していた。
 かつての悠真との生活のように。
 良輔としては、今度こそ本気で困難に立ち向かって欲しいと思っている。
 それが後ろ指さされようが、批判されようが、因果応報の1つに過ぎない。
 ある意味良輔にとって今結花が実家にいることは、温情である。