正直、明博も周子の自己中ぶりに長年うんざりしていたが、体が自由に動かせないことが余計拍車をかけて、彼のメンタルに影響でていた。
 最初は明博は最後まで看取る気満々だったが、遠回しの嫌味やお決まりの婿養子云々が出てくるので、精神的に疲弊していた。
 つまり周子の陰湿さがますますパワーアップしていたのだ。
 明博と物理的に距離を置くことで、お互いのメンタルの平穏を保つことを優先した。
 細々の手続きは良輔と明博でやっている。
 明博は個人で面会に行かず、だいたい良輔と一緒の時が多い。