「あんたぶっちゃけ痛いんだよ。なーにが、世界一かわいいゆいちゃんだよ。鏡見たら? うちのクラスで嫌われてる女子にマジそっくり。あんたが信用されないのは、過去のやったことが返ってきてるんだよ。おじいちゃんとおばあちゃんの通帳もパクってるでしょ? さっさと見せてよおばさん」
「なんでお前らに見せないといけないの? 陰キャの癖に言うことだけいっちょ前なんだね。だからいじめられるのよ」
 その瞬間、葵依は何か突き刺されたかのように座り込んだ。光河は歯を食いしばって結花をにらみ付ける。
「いじめのことは話題にするなって言っただろ! 分かってて言ってるのか?」
「え、そうなの? ゆいちゃん知らなかったぁ! そりゃそうよ。こういう陰キャみたいな人目障りなのよねぇ。そのくせ真面目だから面白くない。強気で言ってたのに、ちょーっと言い返されたからって、そんな倒れるなんて雑魚メンタルね」
 結花は立ち上がって、さっきまでの卑屈さから、うって変わり、おもちゃを見つけた子供のように楽しむ。ニヤニヤと笑う。
 もちろん光河と葵依がいじめられて不登校になったは知っている。