2階の子供達の部屋へ向かうスタッフ。
先に長男の光河から話を聞くことにした。
坊主頭で少しつり上がった目つき。
薄紫色のジャージを着てインタビューに答える。
――お義母さんの第一印象は?
「まぁ、『見た目』は良さそうだったな。最初は多少上手くやってたと思う。みんなで遊園地行ったり、バーベキューしたりやってた。でも、だんだんうざくなってきた。見えないとこであおねえいじめるし、俺たちのお金を"お母さん銀行"として通帳とって管理しだしたんだ。そしたら……」
いじめられているのは長女の葵依のことだろう。
お金管理しだしてから何が起きたんだ?
スタッフ達は今までのインタビューの内容を思い出して、なんとなく見当がついた。
「もしかして、お金取られた、ですか?」
光河はうんと静かに頷いた。
「日に日に少額なくなっていくんだ。あおねえもおんなじでさ。あいつにきいてもしらばっくれたり、ごまかしたりして逃げてばっか」
子供達のお金がぶんどられていることが全国ネットで広まれば、これは炎上すると同時に話題になりそうだ。
昔っから"お母さん銀行"として子供達のお年玉やお祝いのお金を親が預かって、いざ使おうかというときに、勝手に親の贅沢品で使われていたというのはある。