だから母と一緒に散財してストレス発散している。
 私の言う通りにすれば、こんな上から目線な言葉なんて言われなくて済むのに。
「ねぇ、もうお説教はたくさんなの。いい?」
「だめだ。大事な話がある」
 やっと本題に入れそうだと悠真は息をつく。
「お義母さんが転んで、しばらく働けなくなっただろ?」
「またお義母さんの話? あんたマザコン?」
 結花は悠真の話を遮ろうとするが無視をしてそのまま続ける。
「最後まで聞いて」
 ピシャリと言い放つ悠真に結花はビクつく。
 何なのよ。いきなり突き放すような言い方。
 モラハラよっ! モラハラ! あとでSNSに愚痴ってやる!
「これからクリスマスや年末年始で忙しくなって、人が足りなくなるから……」
 結花の体全身がざわつく。
 これって働けってこと? そうだよね?
「――お義母さんの代わりに働いてほしいんだ」
「嫌だ」
 結花は短く切り捨てた。

 働くなんてまっぴらよ。せっかくの専業主婦ライフが台無しになるわ。
 同級生が一生懸命働いている中で、私は朝からランチや買い物やエステに行く。
 家事はお手伝いさんに丸投げ。それをあたかも自分でやった体で生きてきた。
 その優越感がたまらない。SNSでみんな羨ましそうにしているコメントがついてくる。