「あーうるさいわね! そうよ? いきなりあんたのお義母さんが転んで通院来いって言われてさー、そんなの喜んで行く嫁なんてどこにいるの?! 私の時間返して! 付き添ってあげたんだから」
 まくしたてるように悠真を追い詰める。
 大好きな母とのアフタヌーンティーを中断させられたんだから、その分の代金払うのは当然。
「あのな、昼の時も言ったけど、その『あげる』とか『してやった』とか上から目線の言い方やめてよ。結花、一体何様なんだよ?」
「私は世界一可愛いのよ。上から目線なんて当たり前でしょ。あんたは世界一可愛い私と結婚したんだから、ありがたく思いなさいよ。私の言うことを聞くのは当然でしょ! ほら私の方に向かって跪きなさい。今日の通院付き添ってありがとうございますって」
 結花はつばを飲み込みながら、さらにまくしたてる。
 今日幼馴染にも上から目線すぎると言われた。同じことを夫にも言われた。
 1日に2回も言われると腹が立って仕方ない。
「俺は奴隷じゃない。いい加減身勝手な言動や行動をするのやめてくれ。なんのための夫婦だ? 結花にとって俺はなんなの?」
「……大切な人よ」
 一瞬間を置いて答える。
 大切な人であることは嘘ついてない。ただ、いっつも家にいないし、忙しいから、それが不満。