「その底辺と一緒にやり直したいと言ったのはどこの誰だっけ? それとも婚活でもやるつもりか? いやー、顔だけ人間が相手してくれるか……まして、同級生いじめてた、夫がいるにも関わらず、未来ある男性騙して遊んでた《《前科》》ある人に。実家の母親も《《浮気の前科》》あり。完全に遺伝だ。いやー、陽鞠に遺伝しないといいんだけど……」
 心配だなーと大げさに首を傾げる。その姿が余計むかつく。
「これ以上、俺や陽鞠の足引っ張るな。顔も見たくない。目障りだ」
 無理やり夫に外に連れ出される。
 人気なく、外は冷たい刃が突き刺さるような寒さ。
「ち、ちょ、どこに連れていく気なの?! 世界一可愛いゆいちゃんに何するつもり⁈」
 大声で抵抗するが、夫に口を塞がれ、近所迷惑だと切り捨てる。
「うちの両親の手伝いと家事以外ここにいろ。あとで簡易式トイレ用意するから」
 連れて行かれたのは家の離れ。
「待って!! お風呂は?! 荷物あるのに!」
「今まで通りだ。ただし、シャワーだけな。嫌だったら、ジムなりスーパー銭湯なり行きゃいい。その分のお金はお前が出せ」
「そんなの無理!! 私のお金なんてたかが知れてるでしょ⁈」
「じゃぁ、俺が出す代わりに借金毎月返すのはどうだ?」