「キャンキャンうるさい。土下座してとは言ったけど、許すって言ってないよ? そんなの私やお父さん達が決めることだよ。やっぱり元いじめっ子のメンタルは理解出来ないねぇ――私はあんたのこと一生許さない。これからずっと復讐するから。黙って憂さ晴らしの道具になって。あーあ、これで専業主婦でセレブ生活おしまいだね。《《因果応報》》だよ」
 娘は無言でコップに水を入れて私にふっかけて、部屋へ向かった。あー、あいつの声頭痛いといいながら。
 思わず声をあげて泣く。
 なんでここまでされないといけないの?
 やり直そうと頑張ったのに。
 なんで? なんで? みんな許さないの?
 そんなに根に持ってるものなの?
 ずっと昔のことなのに。なんで今頃になってとやかく言われるの?
 夫が仕事忙しいから、さみしくてマッチングアプリで出会った子と遊んでいただけなのに。
「なにやってんだ? こんな水を出しっぱにして」
 部屋にいた夫の声がした。
「床ぬれてんじゃん。さっさと拭いて」
 夫は流しを止めてなんで床や私のエプロンが濡れているか質問した。
 私は娘にされたこと、土下座をして動画を撮られていたことを話す。