確かに調子に乗るのは悪いとみなされる。
 それは安直にやっちゃうと自滅してしまうことから。それを願ってる人間が少なからずいるし、誰しも持っている感情である。
「炎上しないために、私がチェックしてるじゃん? 多分店長は嫉妬とか焦ってるんだと思う」
 嫉妬と言われ結花は腑に落ちた。
「店長はね、多分人事部長と社長からの聞いた話だけ信じて、マイナスのイメージを抱えたままスタートしたんだよ。どうせすぐ辞めるだろみたいな。スタッフで辞めたいという人が出てきたから、さすがにまずいと思って私を呼んできた。これで音《ね》を上げるかなと思ったら、ゆいちゃんが続いてる。それが気に入らないのかもね。ちゃんと見てなかったのに、勝手にムカついてるだけ。気にしなくていい」
 尾澤は箸で唐揚げを1つ取った。
「えー、何ですかそれ! きっしょっ! ほんとそういう人いますよ。男の人の仕事の嫉妬は怖いんです。女性が出世するの気に入らないとかありますから」
 高校時代遊びで付き合っていた男性を思い出した。
 自分がなかなか出世出来ないから、評価してもらえないからと、ライバル達の足を引っ張ったり、陥れたりしていた。特に女性が出世するのを嫌がっていた。セクハラやマタハラで追い詰めたと自慢げに語っていた。