部員達の間では「戦力にならない味方」「いてもいなくてもいい存在」と揶揄(やゆ)されている。
 悠真は小島の顔見たのは、最初の部活動説明会の時だった。次は去年夏のコンクールの時だ。
 おそらく陽鞠の状況を知ってるのか甚《はなは》だ疑問である所だ。
「――ちかや瑠衣《るい》に色々言われようともやってきたけど、ぶっちゃけ、お母さんのことでいつまでもいわれ続けるの嫌だ。私は私なんだよ⁈ 私、転校したいの。赤澤先生が嫌がらせされたくなかったら、環境変えなさいって言われたの!」
 歯を食いしばる陽鞠に悠真は言葉を失う。
 こんなの遠回しに学校からいなくなれと言っているようなもんだ。
 担任が陽鞠のことを嫌ってるのも、結花に対して許せないのも知っている。
 結花は中学時代に、身勝手さでどれだけの人を苦しめたのだろうか。
 あの学校は結花に対して許せない感情をもったり、顔を見たり名前を聞いて、ふつふつと昔のことを思い出した保護者や家族がいるということだ。
 陽鞠が嫌がらせを受けるのも、結花に対する《《因果応報》》なんだろう。
「理不尽だけど、これはある意味担任からの陽鞠ちゃんへの配慮であり、過去に結花さんと関わりあった人達を守るための方法なんだと思う」