「先輩に上下関係厳しく叩き込まれてるんだろうね。キミと違って。先輩の地雷踏んだら大変なことになるからね。それでも頑張ってる。片やキミは嫌なことから逃げたり、自分でなにかりやり遂げたことないでしょ? 美味しい所だけ取るみたいな」
 自分で最後までやり通すっていうのなかなか難しいことだ。
 彼女の話聞いてたらそんな感じがしてきた。
 自分のやりたい仕事だけする。
 慣れてない部分をできるようになるではなく、押し付けて、周りに尻ぬぐいしてもらっていた。最初は《《善意》》だったかもしれないが、彼女にとって、それが当然になってしまったのだろう。または、いいよいいよと甘やかされてきた。

 ――努力したことがないのだろう。

 今の調子だとスタッフ達の足を引っ張ってるだけだ。
「どういうこと?! 私がまるで出来ない人みたいじゃない」