安田は声を潜めて「ぶっちゃけ、ゆいちゃんの評判は厳しいですよ。いい年して幼いって口そろえて言ってますよ。スタッフ達。ほら、今やってるドラマの主人公をリアルにした感じ」と教えてくれた。
 他の部門まで評判悪いことになっていた。
 どうして? 私は可愛いのよ? みんなに愛される、ゆいちゃんなんだよ?! なんでそんなに冷たいの?
 ――中身が幼い。そんなのどうしろと?
 この午前中だけで、尾澤に散々現実を突きつけられた。
 なんで、私はこんなに言われないといけないの?
 可愛いから許してくれないの?
「今やってるドラマの主人公ってどういうこと?」
「ほら、去年のあさ放送してた作品ですよ。うちの祖母も見てるんですが、他のキャラいいけど、主人公嫌いって言ってました。ネットでも似たような意見多かったんですよね」
 結花は「あー、あの作品ね」と手をうつ。
 毎朝15分ぐらいで半年にかけて放送されている。
 主人公が女性初の市長を目指すというものだ。
 高校生編まではよかったが、社会人編から、色々な男性と関係を持ち、職場では不平不満ばかり、家では姑といつも喧嘩していて、視聴者から評判がよくなかった。