「もう今までのようなセレブな専業主婦ライフは無理だ。マウント取りもできない。諦めるんだな。キミがすることは、マッチングアプリで騙してた人に償うこと。因果応報を甘んじることなく受け入れること。被害者だと思うな。そして、社長と娘さんに愛想つかれないように頑張るこった。決して許してもらおうと期待するな。向こうが決めることだ。――いい加減現実を見るんだな、《《結花おばさん》》。あと、やらかした人が改心することは一切期待してないから。私は皆が仕事を滞りなくやるために、キミに指導をするだけだ。だから私は容赦なくやる」
 尾澤の容赦ない言葉に結花は大きな声で泣き出す。
「っぐ、えっぐ、酷いよぉ。なんで私をいじめるの?! ねぇ、ゆいちゃんいじめないで!」
 いじめないでという単語に他のスタッフ達はお困惑する。
「別にいじめてる訳じゃないのに……」
「注意してるだけなんだけどね」
「あー、だからそういうとこだって!」
 尾澤は結花が全く反省してないことを確信した。
 さっき言ったこと分かってるのか?
 多分自分が怒られたことしか頭にないのかもしれない。
 どこまで《《被害者ヅラ》》するんだか。
 本当に40前の子持ちの母親か? 子どもも精神年齢幼い親に振り回されて大変だろう。