「あー、あの子ね、女性が苦手なんだよ。依田さんみたいなタイプが。だからシフト変えて欲しいって申し出があったんだ」
「あー……なるほど……あれは女性でも嫌ですね。同性から嫌われるタイプを地で行く。喋り方といい、態度といい、私はハッキリ言って嫌いです」
「そこまで言い切るか……福島さん」
 強く切り捨てるかのような物言いに野崎は「ちょっと言い過ぎなんじゃ」と咎める。
「だいたいいい歳して自分のことを名前で呼ぶ人や人で態度変えたりする人間にまともな人はいません。よく言うじゃないですか、同性から嫌われてる人は要注意って」
「まともじゃないからああなるんだよ。今まで言葉遣いや態度に注意されてきてないんだよ。多分周りは諦めてるんだと思う」
「だからと言って、私達が彼女の性格を矯正しなさいと言うのですか?!」

 ――依田結花は可愛くてヤバいではなく、高校生バイトの子達より非常識すぎてやばいとして広まっている。

 ヒートアップする福島に野崎は「落ち着いて、深呼吸して」と宥める。