「いえ、あなた達は持ち場に。私はこれから説明いたしますので。皆さんお時間頂きありがとうございました」
 おばちゃん3人衆はなーんだととぼとぼ持ち場に向かうのに対し、相川はそそくさと戻った。
「ずいぶん可愛がられているんですね」
「ええ。私は世界一可愛いから、おばちゃんにモテるのよ」
 勝ち誇ったような笑みを浮かべる結花に、福島はそうですかと短く返した。
「おそらくしばらくの間勤務時間は彼女達と一緒になるでしょう」
「え、相川くんは?」
「彼は高校生なので、学校が始まり次第、通常勤務に戻ってもらいます。今は冬休みなので」
 そ、そんなぁ。ってことは、平日に会えない可能性あるってこと?! それは嫌だ。でも、変則スケジュールはきついし……。
「ね、相川くんと一緒は無理?!」
「あなたの出来次第です。ということで、野菜の袋詰めの様子を見てみましょう」
「買い物客が混む時間帯はご存じですか?」
 いきなりのクイズに結花は「そんなの知らないわよ」と返す。
「10時から11時、そして16時から17時。だからそのあたりを狙って、できたてを提供するのです。刺身と惣菜も同様です」
 そういえば、いつも行ってるスーパーもそうだ。
 だいたいこの時間帯から買い物客のレジが並ぶ。