「店長の前ではきちんとやっとけばいいの。私達の前では適当でいいから!」
「そうそう! ……とはいっても、店長より厳しい人がまだいるのよねー」
 3人は同じ人を思い浮かんだのか、確かに……ゆいちゃんと合うのかと心配する。
「えー、まだ厳しい人いるの??」
 結花は盛大なため息をつく。
 店長が口うるさいというのに、それより厳しいって、ここは厳しい人しかいないの?! みんな意地悪ね。
 おばちゃん達は甘やかしてくれそう。
「あー、農産スタッフの尾澤さんと福島さんとかでしょ? 基本厳しい人ばっかね。尾澤《おざわ》さんは入って十数年の40代、福島さんは高校からうちでバイトで入ってたから12年かな」
 その後おばちゃん達から厳しいスタッフに気をつけること、何か言われたらいつでもおいでと言われ、安堵した。
「ね、車で送ってくれない?! ジュースおごるから!  私一人で帰れないのー」
 男性スタッフに声をかけるが「免許とるねんれいじゃないので」と切り捨てられる。
「けちっ! フン、タクシーで帰る!」
 そういえば、仕事でタクシー乗る用事あれば、請求出来るって言ってたわ。
 結花はタクシーのアプリを開いて、迎車をお願いした。
「なぁ、あの人なんなんだよ……もしかしてノートに書いてあった……」