「年明け1月4日から働いて貰います。6時勤務開始なので、5時半に来てください。その日までに動きやすい服―――ジャージやスウェットとか買ってきてください。あなたがうちで働くことが、#離婚回避の条件__・__#とは悠真が言ってたので」
 では失礼しますと陽貴は妻を連れて、辞去した。
 嘘でしょ? 私、働くの?!
 絶対無理! 無理! 専業主婦は約束よ?!
 どうしよう、専業主婦で働かなくていい生活アピールが出来なくなるじゃない! マウント取れないじゃない!
 働けって……やったことないし、みんなが汗水垂らしながら働いてる中、優雅にランチが楽しみだったし、優越感浸れたのに。
 あのバカも余計なことしやがって! あー、保険金で暮らせないかなー。いきなり事故って死なねーかなー。
 保険金で暮らすのと、ついでに趣味のやつは全て売り飛ばしてやろうか。
 それに未亡人としてモテるだろうし。
 そうだ、いっそのこと死んだことにしよう。

 ――結花の悪だくみはあっさり消え去った。