「許すかどうかは向こうが決めることですから。まあ、恐らく謝っても無駄でしょう。赤澤先生は陽鞠ちゃんが学校変えて欲しいことを望んでます。それで明日から学校行かないと。もう行きたくないと話してました」
「陽鞠ちゃんは被害者でもあり加害者の娘なんですよ。その烙印を押された気持ち分かりますか? あなたの身勝手な行いで。もし、これ以上陽鞠ちゃんのメンタルを考えた時に、真面目に生きた方がいいかと。まあ、被害者はそんなこと望んでないし、むしろそのまま落ちて欲しいと思ってますけど」
 目の前の人間――義兄に自分の過去をスラスラと語られることに恐怖を感じた。
 この人はどこまで知ってるの? もしかして夫も娘も知ってるってこと?!
 嫌だ、嫌だ、こわーい! 私が過去に何しようか知ったこっちゃないじゃない! 今は関係ない!
 てかこの義兄もうざくなってきた。
「真面目に生きるって……」
「日下部さんへの慰謝料のことを踏まえて、あなたには働いてもらいます。うちの店舗で。あ、悠真も良輔くんも了承してるので。どうせ、今から就活しても無理でしょう。あなたの状況では」
 いきなりの働きなさいの発言に、結花は「ふざけないでよ! あんたも調子乗りやがって!」と叫ぶ。