その結果がこれだ。弟が倒れてしまったのだから。
 弟とは職場で話をするが、生活状況が見えなかった。決して義妹の悪口を言わなかった。むしろうまくやってますよ感を出していた。
 弟が病院に運ばれ、今までの本当の生活状況を初めて聞けた。
 早く相談しろなんて言えなかった。
 もしかして、遅くまで働いているのは、義妹と顔を合わせたくないからだろうか。
 姪も義妹と一緒にいたくない口ぶりだった。
 それも当然だろう。
 本来なら家に帰ったらリラックス出来るようなものなのに、恐怖政治が敷かれているんだから。
 義妹は寂しいから他所の男性と遊んでいたそうだが、自分が巻いた種としか言いようがない。

 ――義妹は人の優しさに甘えるクズだ。

 さて、弟にこの件をどう切り出そうか。
 その前に身辺調査の証拠を溜めて置かなければ。あと義妹の従姉妹にも引き続き協力をお願いした。
 厄介なのは義妹の母親だ。
 甘やかし続けていたのは、義妹の従姉妹からの口ぶりから分かるし、両家顔合わせでも全面に出ていた。
 義妹の兄が自分と高校時代の後輩で、弟が入院した日に連絡した。義妹が入院した次の日に顔を出したこと、不審な動きが多いことを連絡すると、協力すると言ってくれた。