それに首を突っ込んでくるのが周子だ。だから余計厄介な方向へ行き、雰囲気が重くなる。
 結花と周子にとっては紫乃は「口うるさいお行儀いい子ちゃん」で、疎ましい存在である。
「さすが、良輔らしい」
 実家に二人の天敵がいることで、義妹の逃げ道を塞ぐことが出来るということなんだろう。
 それにあの母親も少しは大人しくなるだろう。
 義妹の居場所をなくすことで、彼女はどう動くだろうか。
 それにこちらは、弟が有利になる要素を持っている。
 
 ――彼女には一度きついお灸を据えた方がいいと思ってます。今まで彼女のワガママで沢山の被害者が出たこと、一番大切にすべき家族をないがしろにしたこと。

 ――彼女はいつも夫や義理の家族や娘の悪口や不満を言っていました。でも、彼女の夫や義理の家族は、彼女の望み通りに全てやってきています。専業主婦でいることも、仕事をしなくていいことも、義理の家族との付き合いも最低限であることも。娘さんも、勉強と部活の両立で頑張ってますし、悪くいう要素ないと思います。それでも気に入らないだ、ムカつくばかりで……自分がいかに恵まれた立場か分かっていないのでしょうね。常に自分が主役で一番上でないと嫌なんですよ。彼女は。